アーモンド~キミとの物語~


「えっと…上にあったペンキ取ろうとして足場崩れて落ちそうになったのを秋斗先輩に助けられたってわけ」

「まあ、オレは用があって美術室に入ったら……ってなわけだよ」

「なるほどな。ちぃはケガなかったのか?」

二人の説明に納得する
千咲はケガの有無を確認されるとコクンとうなずいて安心する

だが二人は逆になぜ創汰がここに来たのか不思議そうにする

「で、お前はなんでここに?」

「ああ、クラスのやつが千咲が戻ってくるの遅いから様子見に行けってのとペンキの缶重いだろうからって」

千咲は「ごめんね」と謝ると創汰は首を横に降って気にしない様子だ
とりあえず取りに来た物を持って美術準備室から出る

すると千咲は背後になにかを感じて振り向く

「……?」

「千咲ちゃん?」

秋斗の呼びかけにハッとする

「どうした?」

「あ、ううん…」

(気のせいだよね…?)

千咲はこの数日誰かに誰かに見られているような気がしていた

あまり気にしないようにして創汰と共に教室へ戻り看板作りの続きに取り掛かる
だけど"気のせい"と思いたいのとみんなに心配をかけないために誰にも話していなかった



ーーーそんな不安はすぐ打ち砕かれると知らずに


< 140 / 271 >

この作品をシェア

pagetop