アーモンド~キミとの物語~
「待って…!」
「……!?」
秋斗は千咲の腕を掴む
「……頼むから逃げないで」
「秋斗先輩…」
「話したくないなら話さなくて良いからとりあえず来て」
「え…」
誰かの話し声が聞こえてたのか秋斗は千咲を連れて誰もいない教室へと入る
シーンとして静かで二人だけの空間
壁に寄り掛かり廊下から見えないように座る
「ん、とりあえず隣座って」
ポンポンと座るように促す
千咲はうなずいたあとちょこんと隣に座る
話し声が通り過ぎたあと秋斗が口を開き千咲に質問する
「……千咲ちゃんさ、誰かにオレに近づくなって言われた?」
「え?」
一瞬いまの状況を見抜かれ驚いて秋斗を見る
秋斗は真剣そうに千咲を見る
ドキッとして戸惑いながらぱっと目をそらす
「なんで、そんなこと…」
知ってるの、と言おうとした時に秋斗はフッと笑うと「やっぱりか」とちょっと呆れたようにする
「千咲ちゃん、自分から人を避けるような子じゃないだろうし誰かに脅されない限りそんなことするような子じゃないと思うし」
「…………」
「否定しないってことは誰かに脅されたんだね」
「はい…」
コクンと頷くとぎゅっとスカートを掴む
どうして分かったんだろうと千咲は思った
勘なのか誰かから聞いたのか楓と一緒にいるところを見られたのか分からないけど千咲は意を決して正直に話すことにした