アーモンド~キミとの物語~


キョトンとする
初めてじゃないってどういうことなんだろう、と思っていると秋斗が説明する

「どうもオレに近づく気に食わない女の子を今みたいに脅してるんだよ」

「………」

「まだ諦めなかったらしくてこの学校にもオレを追いかけて入学したらしい」

「そんな…」

楓の片想いは終わってなくずっと秋斗を振り向かせようとしていた
だが秋斗は楓など眼中にないのだ

だからどうにか諦めさせたかったらしい

入学当時はほのかにも近づくなと言っていたらしい
いとこだと説明したとき最初は納得しなかったが次第に嫌がらせも無くなったと言う

「……そう、だったんですね」

「千咲ちゃん、嫌な思いさせてごめんね」

秋斗は申し訳なさそうにする
千咲はふるふると首を横に振る

元はと言えば自分がハッキリ言わなかったのとちゃんと相談すればよかったと後悔していた

(次はちゃんとハッキリさせよう!)

千咲はこれ以上秋斗にも創汰たちにも迷惑かけさせないようにハッキリさせようと決めた
年上だからって遠慮してたら何も変わらないと分かった

秋斗は千咲の表情がさっきと違うと気付いた

すると急に秋斗のケータイのバイブが鳴る

「わっ…」

「あ、オレの……げっ」

秋斗は画面を見るとヤバいと思った
ディスプレイ画面には「ほのか」と表示されていた

教室に戻らないことに気付いて電話をしてきたらしい

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