アーモンド~キミとの物語~



「ねえ、さっき千咲が言ってたけどほのか先輩とバイト先一緒ってほんと?」

お昼休み、屋上で一緒にお弁当を食べていると愛未が朝のことを聞いてきた
いきなり聞いてきたことで、むぐっ、と喉を詰まりそうになった千咲に「ごめんごめん」と言ってお茶を渡す

「けほっ…。急になに言うかと思えば…ほんとだよ?」

「へぇ…」

「ほのか先輩がバイトしてるってイメージないよねぇ…。なんか意外っていうか」

「……それは最初思った。それに三年になってからバイトってなんか時期外れっていうか」

ほんの1ヶ月前、春休みに入ってからのことだった
いつも通りにバイトをしていると店長(マスター)に呼ばれて裏へ行くとそこには、ほのかがいた

****

『千咲ちゃん、片付けあとで良いからちょっといいかな?』

一人の男性が千咲を呼ぶ

『あ。はい…』

(私、なんかミスったかな…?)

千咲は自分がなにかしたんじゃないかと不安になっていた
千咲を呼んだのはNOAHのオーナーである月島玲央(つきしま れお)
店長は奥さんの華(はな)

『今日から一緒にバイトすることになった成海ほのかさん』





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