アーモンド~キミとの物語~
「ほのか先輩から?」
「う、うん…」
出たくないのかなかなか画面をタップしない秋斗
電話に出たらなにを言われるのか想像していた
電話に出ずにケータイをポケットにしまおとする秋斗に千咲はその手をつかむ
「ち、千咲ちゃん?」
「 出てください!急ぎだったらどうするんですか?」
「……分かった分かった」
千咲に怒られ適わないと観念して電話に出ると予想通り怒り全開のほのかの声が飛んできた
「もしも…し」
『秋斗!あんた準備ほったからしにして今どこにいるわけ!?』
「お、おぉ…わりぃ」
(丸聞こえ…)
電話口からでもハッキリ聞こえるほのかの声
ほのかは屋上から電話を掛けていた
ほのかとのやり取りを見る千咲は小さくクスッと笑う
いとこと言ってもまるで姉に適わない弟みたいと思えてきた
秋斗は千咲にシーっと人差し指で静かにとジェスチャーをする
「あ、あぁ。悪かったって。つかお前いまどこいんの?」
『屋上だけど?それよりあんたは今どこに…』
「千咲ちゃんと一緒だ」
『千咲ちゃんと!?……なんか聞けたの?』
「聞けた。とりあえず愛未ちゃんとうさも呼んでくれ。オレらもそっち行くから」
ほのかは了解と返事をするとブツっと電話を切る
さっきの話をほのかたちにも説明したいと言うと千咲は頷き二人で屋上へ向かう