アーモンド~キミとの物語~
「優しく注意してあげただけ有難く思いなさいよ。迷惑だってまだわからない?」
「……先輩は迷惑だって言いませんでした」
千咲は負けまいとハッキリと言う
秋斗を信じているからだ
その強気な態度が楓の癇に障ったのかカッとなったその瞬間だった……
ーーーパシンッ!
「……えっ」
「ふざけないでよ…」
千咲の頬に鋭い痛みが走る
そして口の中が鉄の味を感じなにが起きたのか分からず口元を触ると血が出ていた
「え…?」
……そう、千咲は楓に頬を平手打ちされたのだ
「あんたのその態度気に食わないのよ!志麻くんに気に入られたからってなによ!どんな卑怯な手を使ったか知らないけどあんたのことなんかボランティア程度でしか仲良くしてもらってないわよ!」
「…………」
(なによ、それ…)
ギリッと唇を噛み締める
血の味を忘れて千咲も負けじと言い返す
「真嶋先輩こそ秋斗先輩に振られたからってなんですか!?……話は全部聞きました。気にいらない女の子を今みたいに手を出してたんですよね?それでもって秋斗先輩の気持ちはガン無視!?」
「なっ…」
「秋斗先輩の気持ちはハッキリにアナタに伝えたはずじゃないですか!?それなのに真嶋先輩がこんなことしてまた振り向いてくれるとでも?私は卑怯な手なんて使ってません!」