アーモンド~キミとの物語~
「ほんと生意気…。あんたみたい子一番嫌い、なのよっ!」
「……っ」
楓が再び手を上げる
千咲はまた引っぱたかれると思いぎゅっと目を瞑る
「おい、なにしてんだよ」
すると低い声が飛んできたのとケータイのシャッター音、そして誰かが楓の腕を掴む
千咲は顔を上げると見覚えのある背中があった
腕を掴まれた楓が驚いた表情になる
二人の間に入ったのは創汰だった
「創汰…」
「あなたは…宇佐美くん」
「はい、証拠写真けってー☆」
そして愛未も現れる
さっきのシャッター音は愛未が楓が千咲を引っぱたく瞬間を撮った音だった
「愛未も…どうして二人とも」
「ああ、さっき宇佐美くんから連絡あったのよ。ちぃが真嶋先輩と裏庭行く姿見えたから様子見に行こって」
「様子見にくれば案の定これかよ」
創汰は楓の腕を離すと千咲を隠すように立つ
愛未はクスッと笑いさっき撮った写真を楓に向けて言う
「先輩、これどうしてくれます?」
「なっ…!?勝手に撮らないでくれる?これは私と萩原さんの問題よ」
「私の大切な親友に手を上げて何が問題よ?いま文化祭準備期間でこんなことがあれば先輩だってタダじゃないですよ?」
「真嶋先輩には悪いんスけど、千咲の問題はオレたちの問題なんで。大事な幼なじみに手上げられてオレは黙ってねぇよ」
(二人とも…)