アーモンド~キミとの物語~
三人の脳内にはカッコ可愛いであろう執事姿を思い浮かべる
ピシッと決めた燕尾服風の衣装に髪は恐らく一つ結びにちょっとしたメイク
ちょっと見てみたいかも、と思ってしまう三人である
当の本人は愛未と創汰に
『絶対来ないでね!バイト以外の接客なんて緊張するだけだしこの格好見せたくないの!』
……と強く念を押すように言っていた
その願いも砕かれるとも知らない千咲であった
「よし、みんな行こっか」
さー、行くぞと気合十分なほのか
呆れながらも千咲の執事姿をちょっとでも見たい秋斗
愛未と創汰は顔を合わせるがこれ以上止めてもムダだと分かったので二人に付いていく
「……宇佐美くん、あとで千咲に謝ろうか」
「だな。止められ無かったし明日一日回るなら何か奢ってやろう」
どのみち文化祭に来る咲良や華や玲央にバレると創汰は思っていた
明日には創汰の妹の乙葉とほのかの弟の遥斗も文化祭に来るらしい
*
その頃、執事喫茶をやっている千咲のクラスではお客さんの接客をしていた
みんなの想像していた通りの格好をしている千咲
その姿はクラス内でも好評だ
「萩原さーん!次こっちお願い!」
「はーい!」
来るお客さんにジュースやケーキを出していく
その姿をこっそり見に来ていた創汰たち
千咲は気付いて居なかった