アーモンド~キミとの物語~
教室をこっそりと見ている四人に聞き覚えのある声が掛かる
「なにしてるの?みんな…」
「あ…咲良姉」
声をかけてきたのは咲良だった
その後ろには華と玲央もいた
「咲良さん…それに華さんと玲央さんも」
「やぁ、ほのかちゃん。それと久しぶりだね、秋斗くん」
「お久しぶりです」
どうしてここに?と問い掛けようとしたが今日が南高校の文化祭(通称・南高祭(なんこうさい))であることくらいは誰でも知っていた
そして卒業生である三人
華と玲央は毎年NOAHでお店を出して参加していたが華が妊娠中であるため今年は不参加
ここへ来る途中で咲良に会って一緒に来て見たら何やら教室を覗き見している四人がいた、というわけだ
「千咲の執事姿見たくて来たの?」
「当の本人は来るなって言ってんだけどな」
ため息混じりに創汰が言う
「私なら千咲ちゃんの執事姿は見たいわね」
「オレもかな」
その時に話し声が聞こえたのか千咲がこちらに気付いた
「みんな何してんの?」
「ちぃ…いや、あのな?これは…」
創汰が説明しようとするが千咲はだいたいこうなるだろうと分かっていた
諦めた様子で「結局来ちゃったんだね」と少しばかり微笑む
「来たのならせめて入って来たら?先輩たちとお姉ちゃんに華さんたちも」
くすくすと笑う
とりあえずみんなは千咲のクラスに入って休憩することにしたのだ
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