アーモンド~キミとの物語~


なんてそんなことを思っていた
頬を膨らませてちょっと不機嫌な姿が愛らしく感じた

クスッと笑い「ごめんね」と謝る
ほのかがどうしても行きたいと言い出し止められなかったと話す

「……もう分かりましたよ。そんなことだろうと思っていましたし」

「あ、あとこれ。執事姿可愛かったよ」

ちょっと意地悪にしながら愛未から送られてきた千咲の執事姿を見せる

「ああっ!ちょっと何で持ってるんですかー!」

「愛未ちゃんがね、送ってくれたんだよ」

「愛未ってばー!消してくださいよ!」

「せっかく可愛いのに」

千咲は秋斗から携帯を奪おうとするが背が高く手が届かなかった
くすくすと楽しそうにする

そんな日常が秋斗は楽しくて仕方なかった

「明日なんか買ってあげるから許してくれる?ねっ?」

「うっ…」

(そんなキラキラした顔されたら…)

観念した千咲は「分かりました」と許す
秋斗はホッとする

普段からほのかと一緒が多いため他の女の子とこんなふうに過ごすことが少ない

しばらくして千咲の家の近くまで着く

「この辺で大丈夫?」

「はい、送ってくれてありがとうございます」

「ん、いいよ別に。じゃあ明日ね」

「また明日」

反対方向へと歩いていく
秋斗への優しさに千咲は次第に惹かれていくことを本人はまだ気付いていないのだった……

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