アーモンド~キミとの物語~
「今日で文化祭が終わるもんね。来週からまた勉強かぁ」
「期末テストが待ってるな」
「宇佐美くん、嫌なこと言わないでよー」
もう、と愛未が頬を膨らます
文化祭が終わればすぐに期末テストが待ってる
「それはそうと、千咲お前花火見てこいよ」
「そうね。ここは私たちでやっておくわ」
「え、でも…そうしたら二人は花火見れないよ?」
「ま、良いから良いから」
にひひ、と愛未が何かを企むように笑う
創汰は「早く行ってやれよ」とまるで誰かが千咲を待ってるのを知っている口ぶりだった
後夜祭が始まる前に千咲は秋斗と花火大会を一緒に見たことを思い出していた
また一緒に見れたら、なんて思っていた
「じゃ、じゃあお願いね」
パタパタと教室を出て行く姿を創汰は「ふぅ」とため息混じりに見ていた
その様子に愛未は「あれでいいの?」と問い掛ける
千咲の想いに二人は気付いていた
だが当の本人は鈍感なのか自覚が無いためまだ気付いて居ない
「ちぃの幸せを願うのが幼馴染の役目だ。泣き顔は見たくないからな」
「あら、カッコイイこと言うのね。でも私も同じ意見よ。あの子は笑ってた方が似合うもの」
千咲ははたから見たらどこか抜けてるように見えて実は心のしっかりした子だ
楓にも強気で立ち向かってぶつかったんだから、と二人は思っていた