アーモンド~キミとの物語~




教室を出た千咲はすぐにぴたっと止まる

「あれ?どこ行けばいいんだろ…」

教室を出たのはいいけども何処に行けばいいんだろうと思って止まる
ふと、周りを見ると教室はちらほら明かりが付いているが廊下は真っ暗だ

するとヴーヴーと携帯が鳴る
一瞬ビクッとするが携帯を取り出し確認すると「秋斗先輩」と表示されていた

「秋斗先輩だ!……もしもし!」

『もしもし、ごめんね。今どこ?花火一緒に見ようと思ってたんだけど』

「あの、いま教室出てすぐの場所に…」

するとガヤガヤと生徒が別の教室から出てくる
数人で出てきたためだいぶ周りがうるさかった

『あの千咲ちゃん?周りがうるさくて聞こえないんだけど』

「あの…」

千咲は移動を始める
周りがうるさいと電話に集中出来ないため歩きながら通話しているとドンッと誰かにぶつかる

「あ、ごめんなさい」

「こちらこそ…って千咲ちゃん」

ぶつかった相手はついさっきまで電話していて一緒に花火を見ようと話をしていた相手だ

「秋斗先輩!」

「ケガはない?」

「はい。あのさっきの電話って…」

「ああ、うん。実は花火綺麗に見れる場所があってさ、一緒に見たいなって」

その言葉に嬉しさを感じる
一緒に花火を見たい、そう思っていたのは自分だけじゃないと思っていたからだ

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