アーモンド~キミとの物語~
目を開けるとそこはプールだ
千咲がさっき感じた匂いはプール独特の匂いだ
「プール?」
「ここ、後夜祭の花火が綺麗に見える穴場なんだよ」
「へぇ…初めて知った」
するとヒュー…と花火が上がる音がしたと思えばバァンと豪快な音と共に綺麗な花火が咲き誇る
「わぁ…」
ピンクや紫や赤などの花火が次々と上がる
花火大会とは違って数発しか上がらないためあっという間に終わってしまう
最後の花火が上がると文化祭が終わるアナウンスが流れた
「……綺麗でしたね」
「ああ」
二人は花火が終わるまで手を繋いでいた
5人はこの二日間楽しい文化祭を過ごした
準備期間中にいろいろあったものの、それを乗り越え大きく成長した
そして秋斗と千咲の想いを自覚するのはもう少し先だ……
*
あれから数日が経つ
すっかり文化祭気分も抜けて日常を取り戻す
千咲もいつも通りバイトをこなしていた
「ふぅ…」
「千咲ちゃん先に休憩しておいでよ」
「ありがとうございます」
今日のシフトはほのかと一緒だ
ホール対応していた千咲を先に休憩に回しキリのいいところでほのかも休憩に入る
「お疲れ様、千咲ちゃん」
「お疲れ様です」
近くのイスに座ると一息ついて机に突っ伏す
二週間後には期末テストが始まり冬休みが始まる