アーモンド~キミとの物語~


「ほのか先輩なら素敵なウェディングドレス考えそうですね」

「ありがとう」

高校卒業してからの進路は人それぞれだ
千咲も一年後はこんな風に進路に悩むんだろうな、なんて考えている

「資格が必要だから大学に進んだあとは知り合いの場所でアシスタントとやらないかって話まであってね。だから今は高校生活を楽しむのよ」

「将来のこと考えてるんですね…」

(私なにもまだ…)

将来なんてまだ先だ、なんて思っているのもつかの間
高校卒業して大学にも行って…大学卒業したら何をしたいか千咲はまだ考えていなかった

「千咲ちゃんは千咲ちゃんでゆっくり考えてみたら?」

「え?」

「何をしたいか、何をすべきかなんて千咲ちゃんしか分からないことなんだもん」

「ほのか先輩…」

ポンポンと優しく頭を撫でる
ほのかなりの励ましだ

千咲は秋斗の進路も気になっていた
ちょっとずつではあるが千咲は秋斗が気になっていた

どんな感情でなんと呼ばれるものなのか自覚しつつある

「あの…秋斗先輩って卒業したらどうするって聞いてますか?」

「あー…あいつね」

秋斗のことも聞かれることも予想していた
進路すら気になるってことは千咲の気持ちが秋斗に向けられているのを、ほのかも気付いていた

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