アーモンド~キミとの物語~


「……さあ、私はなにも知らないわ」

「え…?」

意外な答えに驚く千咲
てっきり知っているかと思っていた

いとこ同士だからってなんでも把握してると思ってたけどそうでも無かったらしい

「秋斗の進路は本人しか知らないわ。……進むかどうかはアイツ次第だからね」

「そう、ですよね…」

「…………」

ほのかは千咲が秋斗を気にかけているのも、その逆も気付いている
幼い頃からずっと秋斗を見てきた

過去のことも何もかもすべて…
だからこそ秋斗が卒業したらどうするか、なんてほのかは何となくではあるが気付いているが口には出さないでいる

休憩が終わるとまたホール対応に戻る

「さて、また頑張ろうね」

「はい!」

それからと言うもの千咲は普段通りに過ごした
期末テストまで残り少ないためそっちに集中しなければならない

二人の進路は二人の問題だ
後輩が口出しすることじゃない、そう思い何も聞かないフリをした

「んー!おっひるだー!」

そう口にしながら伸びをしたのは愛未だ
今日は三人で屋上に来ていた

二人は先生に用があると言って来れないと連絡が入ったからだ

「今日も天気良いわね」

「しばらくは雨降らないってさ」

携帯を見ながら答える創汰
千咲は卵焼きを口にする


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