アーモンド~キミとの物語~
「あの、これ遊園地のチケット…です」
「ありがとう」
千咲は緊張のあまりいつも以上にうまく話しかけられない
二人きりが初めてじゃないがこうして自分から誘って遊ぶことは初めてなため緊張している
その様子に秋斗はチケットを受け取ったときに気付いていた
「さ、行こっか千咲ちゃん」
「はい!」
そう言って遊園地の中に入る
リニューアルしたため今までにない乗り物や建物がちらほらある
久しぶりの遊園地に千咲は目をキラキラさせる
無邪気な子供のように
「……ぷっ」
「へ…?」
「あははっ!」
いきなり笑い出す秋斗に千咲はきょとんとする
一体なにがそんなに面白かったのか
「秋斗先輩!?」
「だ、だって千咲ちゃんてば目キラキラさせて…まるで子供みたいだなって。ははっ…」
(……子供って言われた)
「先輩ひどいですよ…」
ぷぅ、と頬を膨らませたあとそっぽを向く
秋斗は千咲のそんなコロコロと表情が変わるのは可愛く思っていた
(拗ねちゃったな。ちょっと意地悪しすぎたかな)
心の中でそう思うと反省して「ごめんね」と言ったあと手を差し伸べる
「え…」
「オレ、実はすんげー緊張してたし遊園地久しぶり過ぎてさ。千咲ちゃんを困らせたいんじゃなくてどうしたら楽しませようかなって連絡くれた日から考えてたんだ」