アーモンド~キミとの物語~
「秋斗先輩…」
緊張してたのは自分だけじゃなかったんだ、と思うとホッとする
千咲もどうしたら楽しませることが出来るか考えていた
誕生日プレゼントも用意したのは図々しいかなって思っていたが自分の誕生日にプレゼントもらったわけだしお返ししなきゃと思っていた
「あ、オレがあげたやつ付けてくれたんだね。似合うよ」
「え、あの。ありがとうございます」
いちいち秋斗の行動や言葉にドキドキしていた
「じゃあ、行こっか」
「はい」
差し出された手に自分の手を重ねると秋斗がリードをする
夏祭りのときに繋がれた時みたいにドキドキが止まらなかった
するとぴたっと急に足を止める
「……どうしたんですか?」
「千咲ちゃん、今日オレが誕生日だって知ってるんだよね?」
「創汰から聞いて…。それまでは知らなくて」
「うさから…」
どおりで、と考えていた
毎年誕生日となれば、ほのかの家でケーキ食べるのが定番だったが今年は千咲から誘われたためちょっと驚いていた
(うさ、感謝するぜ。今日はデートってことでいいかな)
そう思うとクスッとする
勘違いでもなんでもこうして千咲が誘ってくれたんならせっかくだし楽しまなきゃと思った
「……?あの?」
「千咲ちゃん、オレから一つお願い聞いてくれる?」