アーモンド~キミとの物語~
「ん?」
「あ、ありが…」
最後までお礼を言おうとしたらバタバタと廊下から走る足音が聞こえたと思ったらガラッと図書室の扉が開く
秋斗はなにか察したのかため息をすると「ちょっとごめんね」と言い千咲を自分に引き寄せ本棚を裏へと行き後ろから抱きしめ口を軽く防ぐ
「……っ!?」
(えっ…!?な、なに!?)
何が起こったのか理由が分からない千咲
その様子に気付いた秋斗は小さな声で「ごめん、ちょっとだけガマンして」と言う
千咲とコクコクとうなずく
すると扉から「志麻せんぱーい!」と女の子たちの声がする
その女の子たちがカウンターに座ってる図書委員に秋斗のことを聞く
「ねぇ、秋斗見なかった?」
「図書室の方に来たと思ったんだけど」
「ああ、志麻か…」
図書室委員の生徒がちらっとコチラを秋斗たちの方を見る
だがなにかを察したのか「志麻ならこっち来てないよ」と答える
その会話を聞いていた千咲は秋斗があの子たちから逃げてきたんだと気付く
「図書室で勉強してるやつも居るから用が無いなら早く出ていけよ」
さっさと追い払うように言うと女子生徒たちは「なーんだ居ないのか、行こう」と言って図書室を出ていく