アーモンド~キミとの物語~
episode.20
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それからずっとあちこち乗り回ったりお昼は近くのレストランでご飯を食べたりクレープを食べたり…旗から見ればまるで恋人のような二人
観覧車を最後に乗ろうとしたが惜しくも閉館時間のアナウンスが流れた
「あ、そろそろ閉館か…」
(観覧車乗りたかったなぁ)
もう少し一緒にいたい気持ちがあった
だが日も暮れて暗くなっていた
遊園地を出た二人は家路を歩いていた
夕日に照らされた二つの影だけが並んで…
「観覧車…乗れなかったですね」
「次来た時に乗ろっか」
「は…あ、うん!」
秋斗と"約束"をした千咲
そして千咲の家の前まで来たあと振り返って小さな紙袋を差し出す
「ん?」
「あの、誕生日プレゼント…です」
「ありがとう」
嬉しそうにするとそれを受け取る
受け取ってもらえたことにホッとする
秋斗は「今日はありがとう」と言って頭をポンポンと撫でると立ち去る
「受け取ってもらえて良かった…」
そう呟くと家の中にはいる
部屋の中からその様子を見ていた咲良が「おかえり」と言う
「ただいま」
いつもより嬉しそうにしている千咲に咲良も嬉しそうにする
こんな妹を見て自分も幸せな気分になる
……そして秋斗との"約束"が果たされるのが数年後になることを知らないでいた