アーモンド~キミとの物語~
「息抜きも必要だよー」
「外じゃ飯食えないし、みんなが寂しがってないかなって思って来たんだよ」
そう言ってカタンと静かに音を立てながら秋斗は千咲の向かいに、ほのかは愛未の隣に座る
二人もまだお昼を食べてないらしい
「そういや、ちらっと聞こえたけど冬休みがなんだって?」
「ああ、二人ともこれから忙しくなるからその前に遊べないかなって話してたんですよ!」
「私やほのか先輩はバイトもあるけど…少しでも遊べたらいいなって」
「……なるほどね」
秋斗の質問に愛未と千咲が答える
実は秋斗たちも同じことを考えていた
冬休みになれば今より忙しくなり本格的に就活や進学を決めなければならない
年明けになれば卒業式までは三年生はほぼ自由登校
春からどうなるかも分からない状態だ
その前に息抜きしつつ少しでも遊べたら良いと思っていた
「まあ、調整すれば大丈夫じゃないかしら?ね、秋斗」
「ん、あぁ…そうだな」
その回答にホッとする
忙しいからダメと言われたら諦めていた三人
冬休みが始まればクリスマスがあり大晦日がある
年が明ければお正月
みんなと行きたい場所遊びに行きたい場所はたくさんある
もっと時間があれば…なんて千咲が一番思っていた