アーモンド~キミとの物語~
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その日の放課後
千咲は借りてた参考書を返しに図書室に来ていた
夏休み中に借りてたものだったが文化祭やらバイトやらいろいろ忙しく返す時間が無く今になっていた
「……確かこのへんにあったはず」
参考書があった棚を見つけて本を返す
その時、ふぅと一息つく
幸い周りには人がいなくてため息が聞こえることは無かった
そしてふと思っていた
この場所で秋斗と会ったときのことを
(最初に会ってたのは去年の文化祭のときで二回目がここ…)
あの日は愛未が日直で終わるのを待っていた時だ
時間を潰すために本を読もうと思ってデザインの本がズラリと並ぶブースに来ていた
探していた本があり取ろうとした時に秋斗が後ろにいて取ってくれたのだ
「懐かしいなぁ…」
今年の春の出来事なはずなのに何故か懐かしく感じていた
それからちょっとしたハプニングがあったり、バイト先でほのかと出会って仲良くなったり
そんなことを考えていた
そして気付いた自分の気持ち
気持ちを伝えるつもりは今は無かった
今の関係がすごく心地良くて楽しいからだ
「……」
ボーッと考えていると残ってる生徒は速やかに帰るようにと放送が流れた
冬は日が暮れるのが早いため生徒は早く帰される