アーモンド~キミとの物語~
episode.3
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辺りがだんだんと暗くなっていくにつれ図書室からは一人、二人と生徒が帰ってゆく
愛未を待っている間千咲は図書室に居て秋斗と声を小さくしながら話していた
図書室は本来静かな場所なはずだけど本の種類ごとにブースが分かれていて扉で仕切られているためカウンターにいる図書委員の生徒が受付までは聞こえていない
するとどこからかヴゥーヴゥーと鳴る
それは千咲のケータイの通知音だ
「あ…」
画面には「愛未」と表示されていて内容を確認するとーーー
“やっと終わったから千咲のカバン持って図書室にいくね ”
と書かれていた
「あ、ごめんね。友だちと約束してたの知らないで話しちゃって」
内容まではさすがに見えなかったものの、秋斗は千咲が図書室で誰かを待っていたことをなんとなく気付いていた
「いえ…。友だちが今日日直だったんです」
「なるほどね。でもさすがに暗くなってきたし他の人も帰っていくからオレもいくよ」
「あ、はい。あの、本取ってくれてほんとにありがとうございます」
改めてお礼を言うと「気にしないで」と言ったあと手を差し出す