アーモンド~キミとの物語~
episode.23
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冬休みも終わり明けてから数日経ったある日、千咲は放課後、先生に頼まれて資料室へ授業で使った介材を戻しに行っていた
冬休みの課題もバイトもすんなりこなしまたいつもの変わらぬ日々が始まる
……始まると同時にあの二人との別れが近くなる
「……ふぅ」
そんな自覚など無いが今のうちに二人とたくさん思い出を作られたいい、と思っていた
千咲は資料室に入りドサッと重い介材を置くとひと息付く
介材が入った箱には美術の授業で使った物が入っていた
「えっと…これはここか」
一つ一つ戻していくとどこからかガチャンと鍵を掛ける音がした
そんな音など聞こえなかったのか使った物を戻すことに集中していた
しばらくしてすべての道具を戻し資料室から出ようとすると「あれ?」と言いやっと鍵掛けられたことに気付く
「えっ…うそ!?」
(ど、どうしよ…鍵掛けられた…)
オロオロとするしか無かった
幸い携帯はセーターのポケットに入っていたため時間を見ると16時30分を過ぎていた
冬は日が暮れるのも早く下校時間も早い
「と、とにかく誰かに連絡しなきゃ…」
メッセージを開くとタイミング悪くピーピーと充電が切れる