アーモンド~キミとの物語~

「千咲がどうかしたんですか?」

「あ、いや…。今日バイトらしいんだけど全然来ないって連絡あってさ。まだ学校にいるかなって」

クラスの子たちに問われ急いで答えたがウソは付いてない
ほのかから連絡が無ければ自分もさっさと学校を出ていたはずだ

いまはそれよりも千咲を見つけるのが先だ

お礼を言うと教室を出て職員室に向かう

「資料室は学校内で一番寒いって話なんだよな…。あんま使ってないし」

資料室は教師でさえあまり利用しない教室だ
そのためエアコンもないため夏は暑く冬は寒いらしい

去年そこで夏に一年生の子が教材を戻した時に熱中症で倒れたなんて話もあったくらいだ
そう考えれば冬は一時間もいれば体は冷え切るはずだ

「失礼します。資料室の鍵借りてもいいですか?」

職員室に付きノックをしたあと近くにいた先生に鍵を借りれるかを訪ねる

「あら、志麻くん。資料室の鍵借りるのは構わないけどもう下校時間過ぎてるわよ?」

「あー…えっと、忘れもんしたの思い出して…」

(言い訳苦しかったかな?)

「そういうこと。じゃあ忘れ物取ったら鍵戻して早く帰りなさい」

「わかりました」

先生は秋斗に鍵を渡す
鍵を受け取ると「失礼しました」と言い早足で資料室に向かうのだった

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