アーモンド~キミとの物語~
秋斗は学校を出るとすぐに創汰に電話を掛けた
3コールしたところで電話に出る
「あ、もしもしうさか?」
『秋斗先輩?珍しいッスね電話なんて』
「あ、まあ…な。お前いま家か?」
『そうっスけど…?』
歯切れが悪く焦っている様子の秋斗に気付く創汰
なにかあったとこくらい分かったらしく「なにかあったんスか?」と問い掛ける
秋斗は外の寒さでこれ以上体温が下がらないか心配の千咲のことを考え創汰にこう言う
「うさ、いまお前の家近くの十字路まで行くから外出て来れるか?電話より会って話したほうが早い」
『わかりました。じゃあすぐ向かうっス』
電話を切ったあとずり落ちそうになる千咲を背負い直す
頬は赤くなっていて手や体が冷たいのが分かる
すぐに暖かくしないと低体温症の症状が酷くなる
千咲は意識がやっとある状態だ
「秋斗先輩!」
それから数分後に創汰が走って来た
秋斗の背中におんぶされてる千咲に気付くと慌て出す
「えっ、ちぃ?……秋斗先輩いったいなにが?」
「あぁ…。どうも先生が資料室にいた千咲ちゃんに気付かずに鍵掛けたらしくてさ。バイトに来ないってほのかから連絡あって鍵借りて資料室行ったら…ってわけ」
「……そう、なんすか」
創汰は一緒に帰れば良かったと後悔した