アーモンド~キミとの物語~
「じゃあ楽しみにしてる!」
そんな楽しい会話をしながらバイトを進めていく
……しばらくしてバイトが終わり着替えて裏口から出ると創汰が待っていた
「創汰!?」
「あ、やっと終わったか」
「え、なにしてんの?」
この寒いなか、創汰は千咲を待っていた
白い息を吐きながら手は冷たくなっていた
恐らくバイトが終わる数分前からずっと居たんだろうと千咲は思った
創汰に自分が巻いてるマフラーを掛ける
「手冷たくなってるよ?」
「ん、平気。さすがに暗いからお前待ってた」
「だからって…」
「あら、創汰くん」
同じタイミングでほのかが出てくる
さすがにこんな寒いなか外にいたことに驚く
千咲と同じように「なにしてんの」と問うとさっきと同じ回答をする
「まあ、千咲ちゃんが心配なのは分かるけどずっと居たら風邪引くわよ。早く帰りなさい」
「ん、分かったっス。千咲帰ろう」
「あ、うん…。じゃあ、ほのか先輩また!」
「はーい!」
手を振りながら二人を見送るほのか
なんとなく感じていた創汰と秋斗が千咲に対する態度
創汰は幼なじみのため千咲のことは誰よりも知っていた
だからこそ、とほのかは思った
「……あなたも大変ね、千咲ちゃん」
そう呟いたあと家路を急いで帰るのだった