アーモンド~キミとの物語~
タイミングをズラして図書室を出るとカバンを持った愛未がいた
「あ、愛未…」
「待たせてごめんねー」
「ううん、大丈夫だよ」
「そ?じゃあ行こっか」
はい、と千咲のカバンを渡されて受け取ると二人は学校を出る
学校を出ると外は薄暗くなっていた
春と言ってもまだ4月中旬
肌寒さが残る時期だ
家路を歩いているとふと、愛未が千咲に質問をする
「千咲のところに行く時に秋斗先輩が図書室から出てきたけど…なんかあった?すごいバタバタと廊下急いで走って行ったけど」
「あ、えと…」
秋斗と言う名前にちょっとドキッとする
さっきのことを思い出して顔を赤くする千咲
(違う違う!愛未が聞きたいのはそうじゃなくて!)
ぶんぶん、と首を振り気持ちを切り替えて女の子たちから逃げるために図書室に来たらしいと説明した
そして愛未が来る間少しだけ秋斗とお話出来たことと、ほのかとはイトコ同士と言うことも話す
「へぇ…あの二人イトコ同士だったんだ」
「ね?びっくりでしょ?」
「うん、ちょっと意外。……でも秋斗先輩を追いかけてた女の子たちって良く聞くファンじゃないかな?」
「え?ファン?」
キョトンとして愛未の言葉を繰り返す