アーモンド~キミとの物語~
キッチンから戻るとちょっと大きい箱の包みを持ってくる
そしてそれぞれ渡していく
「はいどうぞ」
千咲たちは創汰、遥斗、秋斗の順番に渡す
渡された箱を見て「ありがとう」とお礼を言う
受け取ったあと玄関へ向かい見送りする
外はすっかり暗くなっていた
「今日はありがとうございました」
「すごく楽しかったです!」
「……これはホワイトデー倍返ししないとな」
健気にお礼をいう二人と違って創汰は早くもホワイトデーお返しがうんぬんと言い出す
まあまあ、となだめる愛未
「じゃあお邪魔しました!」
「さぁちゃん。私、またお菓子作りしたい!」
「もちろん良いわよ。いつでも来てね」
「うん!」
ぞろぞろと玄関から出ていくなか秋斗はピタリと足を止めて振り向く
「秋斗先輩?」
「千咲ちゃん…」
「……?うん?」
「チョコありがとう。大切に食べるね」
「……うん!」
これが千咲が秋斗に渡した最初で最後のバレンタインチョコとなった
千咲が秋斗に渡したのは図書室で会ったときにもらった時と同じアーモンドチョコレートだ
……そして秋斗たちが卒業するまで残り三週間となった
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