アーモンド～キミとの物語～

3月5日卒業式当日

桜が舞い散り卒業式にはピッタリの晴天だ

外にある看板ステージ上のパネル看板には【第38回南高校卒業証書授与式】と書かれていた
そして体育館には秋斗たち卒業生と千咲たち在校生

保護者の父兄たちがずらりと埋めつくようにいる

順番に卒業生たちが次々と名前が呼ばれる

「志麻秋斗！」

「はい！」

秋斗が壇上に上がり卒業証書を受け取り席へ戻るとき一瞬千咲と目が合う

(秋斗先輩…)

千咲は涙をグッと堪えながら秋斗が席に戻る姿を見つめる

そして次はほのかが呼ばれる

「成海ほのか！」

「はい！」

ピシッと姿勢を正して壇上に上がり卒業証書を受け取る

秋斗にほのかにとってもこの一年すごく充実した毎日を過ごしたに違いない
学校生活もプライベートもすべて

席に戻るとそっと目を閉じて今日までのことを思い出す二人

「…………」

バイトを始めたこと、ピンチヒッターで少しの間手伝ったこと
千咲の誕生日を祝ったり海行ったりお祭り行ったり文化祭を回ったり……いろんなこと

秋斗は誕生日に千咲と二人で遊園地に行ったことも思い出していた

観覧車に最後乗れなかったのが唯一の後悔だ


…………しばらくして卒業式が終わりみんな外へ出て写真などを撮る