アーモンド~キミとの物語~
「ううん…。忙しくなるから仕方ないよね」
(もし、もし…このまま二度と会えなくなったら?私の気持ちはどこに…?)
秋斗を好きだと自覚したときからいつかはちゃんと想いを伝えなきゃと思っていた
それと同時に今まで楽しかった時間に穴を空けないか心配になった
いまの居心地関係を壊したくない気持ちと今気持ちを伝えなければ後悔するのではないかという気持ちがごちゃ混ぜになる
「……千咲ちゃん?」
「秋斗先輩。私の気持ちちょっとだけ吐き出してもいい?」
「うん、いいよ」
千咲は意を決して気持ちを伝えることにした
どんな結果になっても構わない
突き放されたらまた追いかければ良いのだから
せめて気持ちだけでも伝えてしまえばスッキリするはずだと
「あたし、先輩に会えて良かった。この一年すごく楽しかったんです。一緒にバイトして…お喋りして、海行って…」
「千咲…ちゃん」
(泣かないって決めたのに…)
「迷惑掛けちゃうこともあったけど…すごく楽しい一年だった…」
千咲は涙を浮かべながら気持ちを吐き出し続ける
秋斗はそれを静かに聞いており涙を流した彼女の姿に驚く
「だから、だから私…」
「………」
「だから私…先輩のこと…っ」