アーモンド~キミとの物語~
「千咲ちゃん、ストップ」
秋斗はその先を言わせまいと千咲の口に人差し指を付ける
なにを伝えようとしたかすぐにわかった
だけどその告白(ことば)にストップを掛ける
(秋斗先輩…?)
「千咲ちゃん、その先の言葉はいまはまだ言わないで欲しい」
「……」
「オレからちゃんと言いたいし伝えたいんだ。でも今はまだ言えない…」
スっと人差し指を離すと涙を拭う
「秋斗先輩…」
「今のオレは中途半端な気持ちのまま気持ち伝えたら千咲ちゃんを傷付けることになるし悲しませることになる。それだけはしたくないんだ」
「ん…」
「千咲ちゃんの気持ちはちゃんと伝わってるし分かってる」
秋斗自身も千咲を好きだと自覚したときからいつかはちゃんと想いを伝えたいと思っていた
でも今の気持ちだと千咲を悲しませることになる
傷ついた姿だけは見たくなかった
例えそれがどんな形だとしても
「だから…"約束"っていう形じゃダメかな?」
「約束?」
「うん。次会う時までオレのことを待ってて欲しい。必ずキミを迎えに行くから…」
「先輩…」
「その時はオレから言わせて」
「はい…」
千咲にとってその言葉がどれほど嬉しいことか