アーモンド~キミとの物語~
「はい!」
説明も程々にすると現在出勤しているスタッフにも自己紹介をする
自己紹介が終わるとバラバラと持ち場へと散っていく
すると一人の男性が秋斗のところへ行き手を出して握手を求める
「え…」
「オレ、村瀬 琢磨(むらせ たくま)よろしくな」
「村瀬さん…よろしくお願いします」
秋斗より歳上の青年で大学生の琢磨
見た目はちょっとチャラい感じのだがしっかり者で常連客に人気がありバイト経験も長い
秋斗の最初の仕事はホール対応
琢磨と一緒にホールへ入り接客していく
「すいませーん!」
すると一つのテーブル席から注文の声が飛んできて二人で向かうとそこにはいつもお店へやって来る常連客がいた
それは50代くらいの優しそうなマダム二人組
「はい、ご注文ですね?」
「はい。いつものコーヒーセットくれるかしら?」
「かしこまりました」
後ろで注文のメモを取る秋斗に気付き尋ねる
「あら、新人さんかしら?」
秋斗を紹介するように自分の前に出してニコッと笑いながら得意げに琢磨が言う
「ちょっ…村瀬さん?」
「まぁまあ、良いから。……こいつ今日からゴールデンウィーク中にピンチヒッターで入ったやつなんでよろしくお願いしますね?」