アーモンド~キミとの物語~
episode.6
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時は過ぎすっかり夏の気配が訪れている6月の初夏
衣替えもあって制服は冬服から夏服に変わる
そんなある日屋上で千咲と愛未はお弁当を食べていた
「お天気よくて良かったね」
「そうだねー。こんな日はお弁当美味しいし」
南高校は昼食は学食でもお弁当でも構わない
屋上も解放されている
お弁当の場合はどこで食べても良いため中庭で食べる人もいれば教室や食堂で食べるのもありだ
「あら、美味しそうな卵焼きね」
「へ?」
急に千咲の後ろから声がしてお弁当に詰めてあった卵焼きがひょいと取れる
「あっ…ほのか先輩」
卵焼きを取ったのはほのかだ
愛未は小さく声を上げる
ほのかは卵焼きをパクッと食べると「ん、美味しい」と満足そうにする
「ほのか先輩…それ私の卵焼き…」
「ごめんて。ほら、私のおかずあげるからさ」
ほのかは千咲の隣に座ると作ってきたお弁当を出す
ちょっとだけムスッとする千咲が可愛くて仕方がなく自分のお弁当のおかずを一口食べさせるて「あ、美味しい」と言う
「でしょ?……そいや創汰くんは?」
「あ…創汰なら」
「宇佐美くんならおつかいに行かせましたー」
千咲が説明しようとすると愛未がちょっと意地悪そうで楽しそうに言う