アーモンド~キミとの物語~
「欲しいの?」
「えっ…?」
急に声を掛けられびっくりしショーウィンドウ越しに写った人を見て振り向く
それは秋斗だった
「秋斗先輩!」
どこかへ行った帰りなのか手には紙袋があった
「こんばんは」
「こ、こんばんは!秋斗先輩どうして…」
「あー…ちょっとね。千咲ちゃんはバイト終わり?」
「あ、はい」
秋斗は今日のほのかのシフトを思い出していた
(今日あいつ休みだからもしかして…)
「千咲ちゃん、家まで送っていこうか?」
「え、でも…」
急な申し出に少し困る千咲
その様子に気付き変な捉え方をしないように説明をする
「女の子一人でこの時間歩くのは危ないしオレもこっち方向だから気にしないで」
「あ、じゃあ…お願いします」
こうして二人は家路を歩いていた
ちょっとした沈黙
千咲は少し緊張していた
なぜならみんなで居るときはたくさん喋るものの秋斗と二人きりで話すのは図書室で会って以来だからだ
(うわ…秋斗先輩と二人きりだ。なにか話したほうがいいのかな?)
そんなことをぼーっと考えていると車をクラクションがなる
「危ないからこっち歩きな」
「わっ!あ、ありがとうございます」
秋斗は何気なく歩道側を歩く
その姿にドキッとしていた
(び、びっくりした…。秋斗先輩優しいな)
こうして二人は静かな通学路を歩きお互い家へと帰っていくのだった
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