アーモンド~キミとの物語~
「……それで本屋で雑誌見てたの?」
「はい…。その、私に課せられたのが"お揃いの小物"なんです」
「小物かぁ…」
うーん、と秋斗も考える
おそらく秋斗も千咲と同じことを考えているはず
「ちょっと見せてもらっていいかな?」
「え?これを?」
「うん。千咲ちゃんの描いてるもの見てオレからも意見してもいいかな?」
「あ、はい!」
ぱあっと明るくなる千咲
雑誌を見るより直接意見を聞いた方がきっといいものが描ける気がするし咲良たちにも納得のいくものを作ってお客さんに喜んでくれると思ったのだ
スケッチブックを秋斗に渡すと1ページ1ページに描かれているイラストを見ていく
正直驚いていた
(すごい。こんなに描けるなんて…)
ページいっぱいに描いているものはチョーカーやブレスレットやストラップ、指輪、ピアスなどがあらゆる角度から描かれていたからだ
絵を描くのが好きなことは秋斗も知っていたがこれほど上手く描けるのは知らなかったのだ
パラパラとめくりながらみていく
何回も描いては消しては繰り返しているのが良く分かる
「…………」
「あの、秋斗先輩?」
ずっと黙っている秋斗に声を掛ける
やっぱりヘタかな、と思っている
秋斗はハッとしてスケッチブックを千咲に渡す
「すごいね、こんなに描けるなんて」