アーモンド~キミとの物語~
「いえ、そんな!それ全部ボツなんです」
「ボツ?」
こんなにたくさん描いているに?と言うとコクンとうなずく
何度もリリアルの商品のデザインやNOAHのケーキのデザインを描いているがお洋服と食品じゃ違ってくるため千咲自身が全然納得いっていないのだ
「……私だけならともかく他の方にも見せるものだし、その人たちが手にしたいものが描きたいなって」
そんなに悩む姿に秋斗は千咲の頭を撫でる
「千咲ちゃんがいま何を悩んでるかオレには分からないけど協力させてくれないかな?」
「え…」
「絵のことは詳しくないけどオレだったらこんな小物が欲しいとか小さな意見しか出来ないけどさ」
「ありがとございます!」
ニコッと明るく笑う千咲
そんな姿が一瞬ドキッとする秋斗
パッと撫でていた手を離してそっぽを向く
(オレ…いま…)
自分でもよく分からない感情が一瞬湧いたのか恥ずかしくなったのだ
「あ、あの…秋斗先輩ならどんなものをお揃いにしたいですか?」
ハッとして気持ちを切り替える
「オレだったら……」
その日は秋斗と千咲はたくさん話してデザインを一緒に考えていた
二人で意見を出し合ってやっと千咲が納得のいくものが完成したのだ
「先輩ありがとうございます!これちゃんと完成したら一番に見せますね」
「楽しみにしているね」
そして夕暮れに照らされながら二人は公園をあとにいるのだった
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