アーモンド~キミとの物語~


とりあえず空いてる場所にパラソルとシートを置く
そこに荷物を置いて風に飛ばされないようにする

「さ、みんな遊んできて!私はここにいるから」

「わーい!」

そう言って一斉に海へ走り出す
ただし千咲以外のメンバー

千咲はちょこんと座ってみんなの様子を見る

愛未、ほのか、秋斗、無理やり連れて行かれた創汰はビーチバレーをしている

「ちぃ、いいの?」

「うん。私は海眺めてるだけで充分だよ」

「そう?」

「お姉ちゃんはいいの?」

「私もいーの。海眺めてる方が好きだから」

そう言い合うとお互いクスッと笑う
似たもの姉妹はやっぱり趣味や思考が似る

咲良は千咲の気持ちを分かっていた
海が怖いわけでも無く嫌いなわけでも無く、ただ昔のことがあったせいでなんとなく一歩踏み出せないだけだと

それでも無理にみんなのところに行かせるわけでもない

千咲は自分でちゃんと向き合おとしてることは理解している

「私、ちょっとみんな分のジュース買ってくるわね」

「ん、分かった」

そう言って咲良は近くにあるお店へ行く
その間に千咲は海の写真を撮っていた

「けっこう綺麗に撮れたかな?創汰だったらこーゆうの得意なんだけどな…」

創汰の趣味はカメラだ
父親の影響で中学のときから始めたらしくたまに何かを撮りに行ってたときもあった


< 94 / 271 >

この作品をシェア

pagetop