アーモンド~キミとの物語~


「お姉ちゃん、私その辺ちょっと散歩して来ていい?」

「いいわよ。あまり遠く行っちゃダメよ?危ないから」

「ん、分かった」

千咲は咲良に了解を得て少し歩くことにした

周りを見渡すと海の家で食事する者や日焼けするために寝そべる人、ビーチバレーや浮き輪で海に浮かぶ人など様々にいる

(海の潮の匂い…。きっとここ朝日とか夕日綺麗なんだろうなぁ)

すぅ、と少し息を吸うと潮の匂いが鼻につく
ビーチサンダルを履いてても下からジリジリと来る暑さ

そんな暑ささえも忘れてみんな遊んでいる

咲良が居た場所から数百メートルのところで足を止めるとそこは小さな岩がいくつかありそこに出来た水たまりで小さなカニや魚が泳いでいる

「あ、可愛い貝殻…」

真っ白な砂浜と岩の隙間にバラバラと貝殻が落ちている
鮮やかな色の貝殻が落ちており小さな男の子が一つ二つと拾っている姿があった

(なんか可愛いかも…)

「私にもあのくらいの時に創汰とお姉ちゃんと貝殻拾ってたなぁ」

昔のことを思い出していた
良く小さな頃にお互いの家族と一緒に海に来ては貝殻を拾っては部屋に飾ったりネックレスにしたりしていた

それが懐かしく感じていた

「でも、あの男の子大丈夫かな?それ以上行くと危ないんじゃ…」

貝殻を拾う男の子はそれに夢中でだんだん大きな岩の方に行くが海の流れが少し強くなっていることに気付いていない

すると「わっ!」と男の子が声を上げる


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