アーモンド~キミとの物語~


いきなりヒュッ!と強い風が吹く

男の子がかぶってた帽子が一つの岩に引っかかりまた風が吹けば今にも海に落ちそうになる

それを見た男の子は帽子を拾おうとしてその岩に近付く

「キミ危ないよ!」

「お姉さんだれ?」

見ていられなくなり千咲は海に入り男の子に声を掛ける
いきなり声を掛けられてビックリしてキョトンとする

「ごめんね、急に声をかけて。でもここ危ないから離れようか?」

「あ…でも帽子が…」

「………っ」

よっぽど大事な帽子なのか取りに行きたいとか手を伸ばす
それが如何に危ないか分かっていた千咲

だけどこのままじゃ二人とも波が来たら流れてしまうことを察した千咲は……

「お姉ちゃんが取ってきてあげるからキミはここに居てくれる?」

「お姉ちゃんが?でも…」

「私にまかせて?危ないからそこに居てね?……大事な帽子なんでしょ?」

「うん…っ」

ちょっと心配そうに泣きそうな顔をする男の子

(怖がってる場合じゃない!)

引っかかる帽子に必死に手を伸ばす
もう少し手を伸ばすと帽子に手が届きそれを拾う

「ほら!取ったよ!」

「お姉ちゃんすごい!」

「いまそっちに……きゃっ!」

「お姉ちゃん!?」

男の子のところに戻ろうとして千咲は足を踏み外してしまいーーー


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