アーモンド~キミとの物語~
「分かったわ」
「秋斗先輩…。宇佐美くんと、千咲をお願いします」
ずっと様子が変なことに気付いていたが後から事情を聞くことにして「分かった」と行って創汰が走って行った方向に向かう
「千咲…」
そう小さく呟く愛未
しばらくして秋斗は創汰に追いつく
「うさ!」
「秋斗先輩…」
「お前だけじゃ心配だからオレも来たけど千咲ちゃんは…」
「それが…」
まだ見つからない、と言おうとした瞬間どこからか「お姉ちゃん!危ない!」と声を上げる男の子の声が聞こえた
それはさっき千咲と一緒にいた男の子だ
その声に二人は顔を合わせてそっちに行く
*
……秋斗と創汰が来るほんの少し前、千咲は男の子がかぶっていた帽子を取ろうとしていた
「もう、少し…」
「お姉ちゃん…」
ひょいと帽子を取るとホッとして男の子に帽子取れたのを見せる
「いまそっちに……きゃっ!」
男の子のところに戻ろうとして足を踏み外してしまう
「お姉ちゃん!危ない!」
「……えっ……」
千咲は数メートルある岩から足を踏み外し海へと落ちてしまう
バッシャーン!と大きく水しぶきを上げる
そこへ男の子の声に駆け付けた秋斗と創汰が声を掛ける
「どうしたの?」
「あ…いま、お姉ちゃんが…」
「え?」