ただいま冷徹上司を調・教・中!


「凱莉さんっ……待って……」

「待たない」

「あ………」

「千尋……」

てっきり私の家に送ってくれると思いきや。

辿り着いたところは凱莉さんのマンションだった。

ドアが閉まるのも待てないというように、玄関で凱莉さんは私を強く抱き締めて性急なキスをした。

何度も何度も、深く角度を変えながら。

蠢くように凱莉さんの舌が私の口内で絡みつく。

火照る変わりに抜けていく力は、もう凱莉さんを受け入れる準備がすっかりできている証拠だ。

テイクアウトしたファーストフードの香りに負けない淫香がその場を一変させる。

凱莉さんがこんな熱量を持った人だったなんて知らなかった。

必死にしがみついて唇を合わせ舌を絡めると、凱莉さんは私の頭を掻き抱いて求めてくれた。

艶かしいキスが耳から首筋へと移動し、私の服を少しづつ乱していく。

「ここじゃ……や……」

玄関先でこんなに乱されたら、声なんて抑えられない。

いつなんどき人が通るかもわからないのに。

こんなの恥ずかしすぎて無理。

途切れ途切れになんとか口を開くと、凱莉さんはピタリと止まって私を軽々と抱え、そのまま寝室のベッドに転がした。

ベッド脇にあった小さなライトを付けられると、私と凱莉さんがオレンジ色に照らされる。

その妖艶なシチュエーションに、私の身体はまた蕩けてしまう。

凱莉さんの体の重みをもっと感じたくて。

「もっとキスして……」

そう誘うと、凱莉さんは熱い瞳を細めて私に覆いかぶさり、狂おしいほどたくさんのキスをくれた。
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