お前は俺だけのもの
◉Episode 2.◉ 那樹
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\ 凪 Side /
『おはよう』
『行ってきます』
『おかえり』
『おやすみ』
1日の生活の会話の中で1番話すのが那樹。
同棲しているからでもある。
那樹は生まれた時には、もう既に家が隣だった。
偶然。
保育園や学校が無い時などは、ほとんど那樹と一緒に遊んだりした。
幼馴染みというやつ。
同棲している理由は、私が産まれた時に母が亡くなって、父も私が高校1年生になる春に交通事故で亡くなった。
行くところも住むところもない私に、
那「俺ん家に住めば? 一緒に暮らせばいいじゃん?」
お金だっているし、簡単なことじゃないのは分かっているけど、それからはずっと那樹の家に置いてもらっている。
だけど那樹も、那樹が中学1年生の冬に、那樹のお母さんが病気で亡くなった。
那樹の家は母子家庭で、親族とも縁を切っていたらしくて、那樹は独りだった。
那樹の方こそ、きっと辛かったと思う。
あの時、那樹がいなかったら、私はずっと独りだった。
那樹には、感謝で一杯。