お前は俺だけのもの
◉Episode 3.◉ 翔
ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー
\ 凪 Side /
凪「ごめんなさい。」
ふわりと暖かい春風が髪をなびかせる。
その日は、母の命日だった。
御墓参りへ行った帰り道ですれ違いぶつかってしまった。
それが 翔 だった。
髪は金髪。
耳にはピアス。
甘い香水の匂い。
高価そうなネックレスや財布。
翔は、この街でも有名だった。
『龍王』という "暴走族" の一員で、総長、副総長を含む幹部3人の中の1人だった。
『龍王』は200人以上もいる大きなグループでこの街でも上から数える内の1つ。
ーもう、二度と会いたくないー
そう想った。
"暴走族"なんて怖いし、危なそうだし、うるさいと聞く。
それに、翔はかなりの女たらしだと聞いたことがあった。
私には合わないことが多過ぎる。
ー分かってる
もう二度と会わないー