マインドトラベラー
【詩話①】

詩話というのは詩や詩人に関連する話を綴った
文章のことです。背景であったり詩論であったり
エッセイであったり、中身は色々です。

第一回は、本文中では余り語られないマインドトラベラーの
業態についてお話しましょう。

1.通り名
「黒き雷光」のように、彼らは通常通り名を使います。素性を
隠す為です。新人は番号や適当な呪文だったりします。

2.契約
マインドトラベラーは、MITA(マイタ)という国際組織に所属し、
契約はすべてMITA任せです。想像つくとは思いますが、
MIndTraveller's Associationです。なお、国際といっている
のは宇宙間の規模での話です。

3.住所
本名と同じく、マインドトラベラーが住所をクライアントに
明かす事はなく、両者が会う場所は契約により用意されたも
のです。従って、契約が終了すると、両者の接点はMITAのみ、
という状態になります。破壊された人格を修復したり造り替
えたりする力を持つマインドトラベラーが、クライアントに
悪意を向けたり、第三者がその力を悪用するのを防ぐ為です。

4.旅
彼らが旅するのは人の深層意識の中で、次の手順で行います。
 ①深層のイメージストリームに入る。
 ②マインドゲートウェイに到着。
 ③当人の意識に入り込む。
 ④精神世界を旅しながら修復、再構築、問題の除去を行う。
 ⑤自らの痕跡を残さない様にして脱出、帰還。

普通の人が真似をすると①の時点で襲い来るイメージの激流に
呑まれて二度と戻って来れなくなるので国際法で禁止されてい
ます。

念の為ですが、本作は完全なフィクションであり、上記の内容
は設定の一部なので、実在の人物、団体、事物等とは一切関係
ありません。
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