マインドトラベラー
【黒き雷光⑬ 二人旅 - 2】

(雷光視点)
随分と久しぶりだな、この世界。誰かと来るのは。
私にはパートナーなど不要物のはずだった。
アレが来て、私も人を認められる様になった。
ひとり立ちさせた後だな、もう一度ソロで来るのは。

暫くは無理な話か。ゆっくりと待つとするかね。
それもまた別な意味での楽しみになるだろうから。
選び得る道を示してやれば良い。先ずはそこから。
若者が育つ様子を見守ってゆくとするかね。

今度からアシスタントもつけられた。偉いものだな。
独りでも不安はないが待つ者がいるというのも
悪くない。意外な事だがそう思う。偽りは無い。

吹き過ぎる一陣の風。心にはひとさしの花。
気持ちよく旅路をともに歩めれば、倒れようとも
悔いはなく、この上は次世代のため、進むしかない。
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