TOO MUCH PAIN
東北沢の駅まで義兄を送ると、じゃあねといって私達は別れた。

もうしばらくは会うことはないだろと、ぼんやりと思った。


今まで言えなかった事を、今日はいえたのだから・・・


それはきっと、鉄さんに今までのことを吐き出していたせいだな。
誰かに話をするということだけで、こんなに私は救われていたんだと実感する。

そんなことを考えていると、あの居酒屋にいきたくなるけれど、もう夜も遅かったので明日にしようと考え直す。





「リンダ・・・」

愛しい声が後ろから聞こえて振り返ると、そこにはエイジが立っていて、何でいるのって思わず聞き返す。



「さっきメールしたときにはもうこっち向かってたから、ダメ元で来ちゃってた。ごめん。」



もしかしたら、義兄と居たのを見られたかなっとおもって胸が苦しくなる。


「さっきの人誰?」

やっぱりそう聞かれて、誰でもいいじゃないって曖昧にごまかしてしまった。




「思ったより早く済んだから、うちくる?」

そうきくと、エイジは俯きながらも頷いてついてきてくれた。



こんなに寒い夜は、一人でいたらきっと耐えられないと思っていたから。






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