TOO MUCH PAIN
エイジは高校生になって、私の働いているラフォーレの近くの店でアルバイトも始めた。
私と同じように、アパレルの販売業。
よくパンクのイベントで顔を合わす、岩渕さんのお洒落な店だ。
ちょっと忙しくなってきたからなのか、前よりはあまり会いに来てくれなくなったけれど、今までとそんなに変わらない。
いつもの喫茶店に行くと、ちゃんとお金払うとか言い出すこともあったけれど、そこはいつも私が出してあげていたら、何だか納得していないようだった。
「俺もちゃんと働いてんだから、たまには奢るよ。」
「働いてるって言ったって、高校生のバイトじゃたかが知れてるでしょ。」
そう言ってあげても、やっぱりどこかカッコつけたいみたいだな。
その日の夜はロフトでSAのライヴがあったけど、私は仕事が遅番だったから終わった頃にちょっとだけ顔を出した。
バーの方に顔を出すと、満さんを見つけたけど、あまり見かけない人と一緒に飲んでいて、どこかで見たことあるけど誰だっけなと思いながらエイジをさりげなく探してしまった。
バーでビールを頼んで、奥の方まで誰か居ないかふらふらしていると、トイレの隣のひな壇のところに、高校生のやんちゃっぽい少年が二人居て、よく見たらエイジだった。
「エイジ、きてたんだ?」
「あぁ。リンダはライブ中いなかったよね?今きたの?」
「そうだよ。」
なんとなくエイジの横に座ってビールを飲むと、隣の小柄な少年が、誰誰ってエイジをつついていた。
「ともだち」
エイジにそういわれて、ああそうか私は友達なんだって初めて思った。
「あれ?そっちの子は、学校かなんかのお友達?」
私は平気なふりして、2人の話に紛れ込む。
「どうもはじめまして~♪
僕、エイジのクラスメイトのレンです!?
お姉さんも、綺麗ですね~」
調子よさそうなその少年は、満面の笑顔で握手を求めてくるので、思わずその子の手を握り返していた。
「珍しいじゃん?エイジが同級生連れてくるなんて・・・」
そういってあげると、何だか友達の前で照れているようで可愛らしかった。
「ねえ、今夜は鉄さんは来ないの?」
わざと意地悪してそう言うと、いつものように「知らない」なんてふてくされる。そんなところも可愛い。
「ふふ・・・拗ねちゃった?」
私は蓮君に気付かれないようにエイジのわき腹をつつくと、真っ赤になって俯いてしまった。
「今日は満さんもきてたし、来るかと思ってたんだけどな・・・」
「母さんは、レンの母さんと仲よさそうに飲んでるよ・・・」
エイジの指差した方を見ると、確かに満さんと一緒にいた女の人はレン君に雰囲気が似ていて、でもどっかで会ったなと思い巡らす。
「え??あの綺麗な人、レン君のお母さんなんだ?
でもどっかで見たことある気がするな・・・」
そう、どこかで絶対会っているはずだ・・・
「ああ、この前情熱大陸に出ちゃったからね・・・
うちの母さん、結構有名な華道家なの。」
レン君がいきなりそういうことを言うから、私とエイジはびっくりして聞き返してしまった。
「なんでそんなこといわねーんだよ!」
「べつに、聞かれなかったじゃん。」
二人はそんな風に話している。
仲良しなんだなあ・・・
エイジが同年代の男の子とこんなに仲良くなれるんだって、ちょっと安心もした。
「あ!思い出した。前にレンの母さんと、麻布のクラヴで飲んだことあるよ。ちょっと私、挨拶してくるわ。」
そうだ、エイジと出会う前にロックナイトに来ていたお姉さんだ。
私と同じように、アパレルの販売業。
よくパンクのイベントで顔を合わす、岩渕さんのお洒落な店だ。
ちょっと忙しくなってきたからなのか、前よりはあまり会いに来てくれなくなったけれど、今までとそんなに変わらない。
いつもの喫茶店に行くと、ちゃんとお金払うとか言い出すこともあったけれど、そこはいつも私が出してあげていたら、何だか納得していないようだった。
「俺もちゃんと働いてんだから、たまには奢るよ。」
「働いてるって言ったって、高校生のバイトじゃたかが知れてるでしょ。」
そう言ってあげても、やっぱりどこかカッコつけたいみたいだな。
その日の夜はロフトでSAのライヴがあったけど、私は仕事が遅番だったから終わった頃にちょっとだけ顔を出した。
バーの方に顔を出すと、満さんを見つけたけど、あまり見かけない人と一緒に飲んでいて、どこかで見たことあるけど誰だっけなと思いながらエイジをさりげなく探してしまった。
バーでビールを頼んで、奥の方まで誰か居ないかふらふらしていると、トイレの隣のひな壇のところに、高校生のやんちゃっぽい少年が二人居て、よく見たらエイジだった。
「エイジ、きてたんだ?」
「あぁ。リンダはライブ中いなかったよね?今きたの?」
「そうだよ。」
なんとなくエイジの横に座ってビールを飲むと、隣の小柄な少年が、誰誰ってエイジをつついていた。
「ともだち」
エイジにそういわれて、ああそうか私は友達なんだって初めて思った。
「あれ?そっちの子は、学校かなんかのお友達?」
私は平気なふりして、2人の話に紛れ込む。
「どうもはじめまして~♪
僕、エイジのクラスメイトのレンです!?
お姉さんも、綺麗ですね~」
調子よさそうなその少年は、満面の笑顔で握手を求めてくるので、思わずその子の手を握り返していた。
「珍しいじゃん?エイジが同級生連れてくるなんて・・・」
そういってあげると、何だか友達の前で照れているようで可愛らしかった。
「ねえ、今夜は鉄さんは来ないの?」
わざと意地悪してそう言うと、いつものように「知らない」なんてふてくされる。そんなところも可愛い。
「ふふ・・・拗ねちゃった?」
私は蓮君に気付かれないようにエイジのわき腹をつつくと、真っ赤になって俯いてしまった。
「今日は満さんもきてたし、来るかと思ってたんだけどな・・・」
「母さんは、レンの母さんと仲よさそうに飲んでるよ・・・」
エイジの指差した方を見ると、確かに満さんと一緒にいた女の人はレン君に雰囲気が似ていて、でもどっかで会ったなと思い巡らす。
「え??あの綺麗な人、レン君のお母さんなんだ?
でもどっかで見たことある気がするな・・・」
そう、どこかで絶対会っているはずだ・・・
「ああ、この前情熱大陸に出ちゃったからね・・・
うちの母さん、結構有名な華道家なの。」
レン君がいきなりそういうことを言うから、私とエイジはびっくりして聞き返してしまった。
「なんでそんなこといわねーんだよ!」
「べつに、聞かれなかったじゃん。」
二人はそんな風に話している。
仲良しなんだなあ・・・
エイジが同年代の男の子とこんなに仲良くなれるんだって、ちょっと安心もした。
「あ!思い出した。前にレンの母さんと、麻布のクラヴで飲んだことあるよ。ちょっと私、挨拶してくるわ。」
そうだ、エイジと出会う前にロックナイトに来ていたお姉さんだ。