TOO MUCH PAIN
「りんさん、久しぶりです。」
私はその人の名前も思い出して、そう声をかけた。
「あれ?リンダちゃん、久しぶりだね、どうしたの?」
「りんさん、リンダと知り合いだったの?」
満さんも驚いてそういうと、昔クラヴであったってことを説明している。
「あの時はありがとうございました。」
私は深々と頭を下げると、まあいいからそこに座りなよと言ってくれて、二人のテーブルの横に座らせてもらった。
まだ鉄さんにもエイジにも出会ってなかった頃、私はマキちゃん達とよくロック系のクラヴにも行っていた。
「あれから大丈夫?」
やんわりとミチルさんにも判らないように聞いてくれるから、もう大丈夫ですと答えて笑顔を見せると、りんさんは安心したようによかったって笑い返してくれた。
あの頃はまだ高校生で、自暴自棄になっていた頃だ。
適当に声をかけてくる男の子が居たら、そのままついて行って適当にやられて帰るみたいな事が何度かあった気がする。
あの時のロックナイトの時も、ちょっとしつこい男の人が居て、私達に絡んできたから、もうめんどくさいからついていこうかと思っていたところにりんさんが声をかけてくれた。
「この子私の連れだから、大丈夫よ、私がつれて帰るし。」
りんさんはそのクラヴでは有名人だったみたいで、彼女がそう言うとその男はあんなにしつこかったのに、素直に引き下がってくれた。
「えっとすいません、誰でしたっけ?」
お礼もそこそこに、酔っ払った頭でそうきくと、「ゴメン勝手なことして」ってはじめて会ったよねって笑った。
「あの人はヤバイから、絶対ついて行っちゃダメだよ。」
そういって、本当に私達と一緒に帰ってくれた。
そうだ、鉄さんより前にこの人に言われていたんだ・・・
もっと自分を大切にしなきゃダメだって。
「リンダはね、テッちゃんのファンなんですよ。」
満さんがそう紹介してくれて、そうなんですと話しにのってみる。
「エイジもお世話になってるんだよね・・・」
そんな風に言われて、何だかちょっとむずがゆい気持ちになった。
「私の方が、鉄さんやエイジにお世話になってるっていうか・・・」
そんな風に話す私に、りんさんは何かを感じ取ったのか、
「前よりずっと、幸せそうな顔してるよね。」
なんていってくれた。
「ちゃんと好きな人としないとだめだよ、お互いにね。」
何か飲むって聞かれて、今日はつぶれないようにとレッドアイを頼むと、りんさんはいそいそと買いにいってくれた。
「りんさんのところね、子供双子なんだって。いっぺんに2人も子供が出来ちゃったなんて、大変だったろうなあ・・・」
満さんがそういうと、何だか実感がわいてほんとにそうだなって思う。
「満さんだって若かったから大変だったんでしょう?私にはまだよくわからないけど。」
彼女は私が鉄さんといつもどういう話しをしているかとか、どういう関係だとか、全部わかっている。
たぶん、エイジとのことも・・・
「私は自分のわがまま放題に育てちゃったからね、エイジのこと。肝心なところは、みんなテッちゃんがやってくれたからさ・・・」
でもきっと、いっぱいいっぱい愛してあげたから、あんなにいい子に育ったんだろうなって思う。
りんさんが三人分の酒を買ってきてくれて、改めてカンパイすると、私達はそれからはとりとめもないような音楽の話なんかをして盛り上がった。
三人とも歳もばらばらなのに、音楽の話題で繋がっているっていうのが何だか不思議だ。
レッドアイがなくなった頃、私はもう帰りますといって二人と別れた。
「エイジ呼んでこようか?」
満さんがそんな風に気を使ってくれたけど、やんわりと断って私は黙ってロフトを後にした。
エイジがまた私を、恋しがってくれるといいななんて思いながら・・・
私はその人の名前も思い出して、そう声をかけた。
「あれ?リンダちゃん、久しぶりだね、どうしたの?」
「りんさん、リンダと知り合いだったの?」
満さんも驚いてそういうと、昔クラヴであったってことを説明している。
「あの時はありがとうございました。」
私は深々と頭を下げると、まあいいからそこに座りなよと言ってくれて、二人のテーブルの横に座らせてもらった。
まだ鉄さんにもエイジにも出会ってなかった頃、私はマキちゃん達とよくロック系のクラヴにも行っていた。
「あれから大丈夫?」
やんわりとミチルさんにも判らないように聞いてくれるから、もう大丈夫ですと答えて笑顔を見せると、りんさんは安心したようによかったって笑い返してくれた。
あの頃はまだ高校生で、自暴自棄になっていた頃だ。
適当に声をかけてくる男の子が居たら、そのままついて行って適当にやられて帰るみたいな事が何度かあった気がする。
あの時のロックナイトの時も、ちょっとしつこい男の人が居て、私達に絡んできたから、もうめんどくさいからついていこうかと思っていたところにりんさんが声をかけてくれた。
「この子私の連れだから、大丈夫よ、私がつれて帰るし。」
りんさんはそのクラヴでは有名人だったみたいで、彼女がそう言うとその男はあんなにしつこかったのに、素直に引き下がってくれた。
「えっとすいません、誰でしたっけ?」
お礼もそこそこに、酔っ払った頭でそうきくと、「ゴメン勝手なことして」ってはじめて会ったよねって笑った。
「あの人はヤバイから、絶対ついて行っちゃダメだよ。」
そういって、本当に私達と一緒に帰ってくれた。
そうだ、鉄さんより前にこの人に言われていたんだ・・・
もっと自分を大切にしなきゃダメだって。
「リンダはね、テッちゃんのファンなんですよ。」
満さんがそう紹介してくれて、そうなんですと話しにのってみる。
「エイジもお世話になってるんだよね・・・」
そんな風に言われて、何だかちょっとむずがゆい気持ちになった。
「私の方が、鉄さんやエイジにお世話になってるっていうか・・・」
そんな風に話す私に、りんさんは何かを感じ取ったのか、
「前よりずっと、幸せそうな顔してるよね。」
なんていってくれた。
「ちゃんと好きな人としないとだめだよ、お互いにね。」
何か飲むって聞かれて、今日はつぶれないようにとレッドアイを頼むと、りんさんはいそいそと買いにいってくれた。
「りんさんのところね、子供双子なんだって。いっぺんに2人も子供が出来ちゃったなんて、大変だったろうなあ・・・」
満さんがそういうと、何だか実感がわいてほんとにそうだなって思う。
「満さんだって若かったから大変だったんでしょう?私にはまだよくわからないけど。」
彼女は私が鉄さんといつもどういう話しをしているかとか、どういう関係だとか、全部わかっている。
たぶん、エイジとのことも・・・
「私は自分のわがまま放題に育てちゃったからね、エイジのこと。肝心なところは、みんなテッちゃんがやってくれたからさ・・・」
でもきっと、いっぱいいっぱい愛してあげたから、あんなにいい子に育ったんだろうなって思う。
りんさんが三人分の酒を買ってきてくれて、改めてカンパイすると、私達はそれからはとりとめもないような音楽の話なんかをして盛り上がった。
三人とも歳もばらばらなのに、音楽の話題で繋がっているっていうのが何だか不思議だ。
レッドアイがなくなった頃、私はもう帰りますといって二人と別れた。
「エイジ呼んでこようか?」
満さんがそんな風に気を使ってくれたけど、やんわりと断って私は黙ってロフトを後にした。
エイジがまた私を、恋しがってくれるといいななんて思いながら・・・