TOO MUCH PAIN
八月に入って、相変わらず忙しく仕事に没頭していると、日曜の夕方にカオリちゃんがお店に遊びに来てくれた。
「リンダちゃん、久しぶり~♪」
相変わらず元気に声をかけてくれて、こっちまで元気になる。
何時に終わるのって聞かれて、今日は早番だから六時ごろかなって伝えると、じゃあ呑みにいこうよって誘われた。
2人でいつもの新井薬師まで向かった。
「とりあえずビールジョッキで二つ!」
お通しとビールを鉄さんが持ってきてくれて、早速カンパイして一気に半分ぐらい飲む。
「あれからエイジ君に会ったの?」
そんな風に聞かれて、全然会ってないよって答える。
「実は私、さっきまでエイジ君のお店行ってたんだよね・・・昨日もライヴで一緒だったし。」
カオリちゃんはエイジのことを話しだすと、だんだんテンションが下がっていくようだった。
「モモちゃんもリンダちゃんも、好きになるのわかるなあ・・・
昨日初めて会ったけど、凄いねあの子。」
「何があったの?」
まさかカオリちゃんもエイジのことって一瞬頭によぎったけど、まさかそんなことはないよね。
「実はさ、アキラがあのお店に買い物に来てて、さりげなく私を呼んでくれたんだよ。
ファンだってちょっと話してたから。凄く嬉しかったんだ。」
そのときのやり取りが、とっても大人で感動したんだという。
そして、モモちゃんもそのとき一緒だったんだと・・・
「ねえ、リンダちゃん、まだきっと好きなんでしょう?彼のこと。
私ね、2人を見てるといたたまれないんだよ。何でエイジ君は一人しかいないんだろうって思っちゃう。」
2人とも幸せになって欲しいって、カオリちゃんはそんな風に話してくれた。
「私はもういいんだよ、今までずっとエイジ独り占めしてきてたんだし、もういいんだよ・・・」
どうせ私なんてって言いそうになって、この前のカオリちゃんの言葉を思い出し、ぐっと飲み込んだ。
「私ね、汚いんだよ。エイジと会う前は色んな男と適当にやってきたし、人には言えないようなこともあったし。
いつもエイジに、嘘ばっかついてたからね。」
「でもそれはきっと、エイジ君のためについた嘘でしょう?」
そうなのかな?ずっと離れたくなくて、勝手についていた嘘だと思うけれども。
そんなことを考えていると、お店の有線からなんだか懐かしい曲が流れてきて心に刺さる。
「おっ、LieWooだ・・・」
鉄さんがそうつぶやいて、嬉しそうに笑った。
そう、鉄さんが一番好きなバンドだったな・・・
若気の至りと流されたって
深く心に刻み込むもの
優しい嘘は未来への
道を踏み外さぬ道しるべ
アケミさんの歌声が心に沁みる。
明るい未来が訪れますように・・・
私にはそんな未来は来るのかしら?
「やっぱさ、お前らちゃんと会って話せよ・・・」
私達の話をさりげなく聞いていた鉄さんがそんな風に言ってくれる。
「そうだよ、じゃあさ、私がエイジ君を今度ここにつれてきてあげるよ!」
もうどうでもいいと思っていたのに、カオリちゃんはおせっかいだななんて思ってしまったけど、それでも一生懸命に言ってくれるから嬉しくなっていた。
「リンダちゃん、久しぶり~♪」
相変わらず元気に声をかけてくれて、こっちまで元気になる。
何時に終わるのって聞かれて、今日は早番だから六時ごろかなって伝えると、じゃあ呑みにいこうよって誘われた。
2人でいつもの新井薬師まで向かった。
「とりあえずビールジョッキで二つ!」
お通しとビールを鉄さんが持ってきてくれて、早速カンパイして一気に半分ぐらい飲む。
「あれからエイジ君に会ったの?」
そんな風に聞かれて、全然会ってないよって答える。
「実は私、さっきまでエイジ君のお店行ってたんだよね・・・昨日もライヴで一緒だったし。」
カオリちゃんはエイジのことを話しだすと、だんだんテンションが下がっていくようだった。
「モモちゃんもリンダちゃんも、好きになるのわかるなあ・・・
昨日初めて会ったけど、凄いねあの子。」
「何があったの?」
まさかカオリちゃんもエイジのことって一瞬頭によぎったけど、まさかそんなことはないよね。
「実はさ、アキラがあのお店に買い物に来てて、さりげなく私を呼んでくれたんだよ。
ファンだってちょっと話してたから。凄く嬉しかったんだ。」
そのときのやり取りが、とっても大人で感動したんだという。
そして、モモちゃんもそのとき一緒だったんだと・・・
「ねえ、リンダちゃん、まだきっと好きなんでしょう?彼のこと。
私ね、2人を見てるといたたまれないんだよ。何でエイジ君は一人しかいないんだろうって思っちゃう。」
2人とも幸せになって欲しいって、カオリちゃんはそんな風に話してくれた。
「私はもういいんだよ、今までずっとエイジ独り占めしてきてたんだし、もういいんだよ・・・」
どうせ私なんてって言いそうになって、この前のカオリちゃんの言葉を思い出し、ぐっと飲み込んだ。
「私ね、汚いんだよ。エイジと会う前は色んな男と適当にやってきたし、人には言えないようなこともあったし。
いつもエイジに、嘘ばっかついてたからね。」
「でもそれはきっと、エイジ君のためについた嘘でしょう?」
そうなのかな?ずっと離れたくなくて、勝手についていた嘘だと思うけれども。
そんなことを考えていると、お店の有線からなんだか懐かしい曲が流れてきて心に刺さる。
「おっ、LieWooだ・・・」
鉄さんがそうつぶやいて、嬉しそうに笑った。
そう、鉄さんが一番好きなバンドだったな・・・
若気の至りと流されたって
深く心に刻み込むもの
優しい嘘は未来への
道を踏み外さぬ道しるべ
アケミさんの歌声が心に沁みる。
明るい未来が訪れますように・・・
私にはそんな未来は来るのかしら?
「やっぱさ、お前らちゃんと会って話せよ・・・」
私達の話をさりげなく聞いていた鉄さんがそんな風に言ってくれる。
「そうだよ、じゃあさ、私がエイジ君を今度ここにつれてきてあげるよ!」
もうどうでもいいと思っていたのに、カオリちゃんはおせっかいだななんて思ってしまったけど、それでも一生懸命に言ってくれるから嬉しくなっていた。