TOO MUCH PAIN
夜しか泳げない
あれから一週間。
私は毎日のようにアルバイトのためラフォーレに通っていた。
好きなブランドの洋服屋の販売のアルバイト。
今月はじめたばかりでまだなれなくて戸惑っていたし、時給もまだまだ安かったけれども、好きなものに囲まれて働いているだけで楽しかった。
販売業は週末は忙しい。
土曜の夜疲れて帰ってくると、アパートの前に見覚えのある少年がしゃがみこんで誰かを待っていた。
その子は私に気がつくと、笑って手を振って駆け寄ってくる。
「おかえり。」
「ただいま。」
久しぶりにその言葉を口にした気がする。
エイジが私を待っていてくれた、そう思うと、何だか心がほっこりした気持ちになった。
「どうしたの?」
「電話もメールも判らなかったから、来ちゃった。ゴメン・・・」
又くればって言ったの、本気にしたんだな・・・
もうあれきりだと思って、あえて教えなかったのに。
「おなか空いてない?」
そうきくと空いているというので、近所の行きつけの喫茶店にエイジを連れて行った。
一日中何故か開いている、スナックみたいな駅前のちょっと汚いお店だけど、とても居心地がいいんだ。
「好きなの頼みなよ。」
彼は素直に頷くと、焼きそばを頼んでいる。
私はビールとつまみを頼んで、彼が食べているのをじっと見ていた。
「リンダは食べないの?」
「うん、仕事の休憩のとき食べたから。」
家に帰ったらいつも、ビールを飲んで寝るだけだから。
そうしないとうまく眠れないんだ・・・
「ねえ、何時ごろからいたの。」
そうきくと、夕方ごろから待っていたという。
結構な時間だ・・・後数時間で日付も変わるって言うのに。
「今度から連絡してからくれば?」
そういって、メアドを交換すると、そうするって嬉しそうに彼は笑った。
「仕事忙しいの?」
「そうだね、週末は忙しいかも。平日は暇だけどね。」
そして明日も仕事だって言うと「来ちゃってよかったかな、ゴメン」なんて、又あやまってくれる。
「別にいいよ、明日は遅番だし。」
何の仕事してるのかって聞かれるから、正直に答えてあげると、自分も好きなブランドの店だと嬉しそうに言う。
結構洋服とか好きみたいだな。
何気に服装も、しっかりパンクの基本を抑えていてお洒落だ。
これは満さんの趣味でもあるのかしら。
「鉄さんどうしてる?」
そうきくと、エイジは急に不機嫌になってしまう。
「一緒に住んでねーし、何してるかしらねーよ。」
そうなんだ、なんか仲よさそうだと思ったのにな・・・
そのころはまだ、週末婚なんてものがあるなんて、私は知らなかったから。
エイジが食べ終わる頃、私はさっさと先に会計を済ませる。
そして飲みかけのビールも空けると、「もう帰ろう」と二人で席を立った。
さっき来た道を二人で並んで歩く。
エイジはなにかモジモジしていた。手でも繋ぎたいのかな?
そんなことしていると、勘違いしてしまいそうだから、私は両手をずっとライダースのポケットに入れたままだった。
私は毎日のようにアルバイトのためラフォーレに通っていた。
好きなブランドの洋服屋の販売のアルバイト。
今月はじめたばかりでまだなれなくて戸惑っていたし、時給もまだまだ安かったけれども、好きなものに囲まれて働いているだけで楽しかった。
販売業は週末は忙しい。
土曜の夜疲れて帰ってくると、アパートの前に見覚えのある少年がしゃがみこんで誰かを待っていた。
その子は私に気がつくと、笑って手を振って駆け寄ってくる。
「おかえり。」
「ただいま。」
久しぶりにその言葉を口にした気がする。
エイジが私を待っていてくれた、そう思うと、何だか心がほっこりした気持ちになった。
「どうしたの?」
「電話もメールも判らなかったから、来ちゃった。ゴメン・・・」
又くればって言ったの、本気にしたんだな・・・
もうあれきりだと思って、あえて教えなかったのに。
「おなか空いてない?」
そうきくと空いているというので、近所の行きつけの喫茶店にエイジを連れて行った。
一日中何故か開いている、スナックみたいな駅前のちょっと汚いお店だけど、とても居心地がいいんだ。
「好きなの頼みなよ。」
彼は素直に頷くと、焼きそばを頼んでいる。
私はビールとつまみを頼んで、彼が食べているのをじっと見ていた。
「リンダは食べないの?」
「うん、仕事の休憩のとき食べたから。」
家に帰ったらいつも、ビールを飲んで寝るだけだから。
そうしないとうまく眠れないんだ・・・
「ねえ、何時ごろからいたの。」
そうきくと、夕方ごろから待っていたという。
結構な時間だ・・・後数時間で日付も変わるって言うのに。
「今度から連絡してからくれば?」
そういって、メアドを交換すると、そうするって嬉しそうに彼は笑った。
「仕事忙しいの?」
「そうだね、週末は忙しいかも。平日は暇だけどね。」
そして明日も仕事だって言うと「来ちゃってよかったかな、ゴメン」なんて、又あやまってくれる。
「別にいいよ、明日は遅番だし。」
何の仕事してるのかって聞かれるから、正直に答えてあげると、自分も好きなブランドの店だと嬉しそうに言う。
結構洋服とか好きみたいだな。
何気に服装も、しっかりパンクの基本を抑えていてお洒落だ。
これは満さんの趣味でもあるのかしら。
「鉄さんどうしてる?」
そうきくと、エイジは急に不機嫌になってしまう。
「一緒に住んでねーし、何してるかしらねーよ。」
そうなんだ、なんか仲よさそうだと思ったのにな・・・
そのころはまだ、週末婚なんてものがあるなんて、私は知らなかったから。
エイジが食べ終わる頃、私はさっさと先に会計を済ませる。
そして飲みかけのビールも空けると、「もう帰ろう」と二人で席を立った。
さっき来た道を二人で並んで歩く。
エイジはなにかモジモジしていた。手でも繋ぎたいのかな?
そんなことしていると、勘違いしてしまいそうだから、私は両手をずっとライダースのポケットに入れたままだった。